インフラや工場復旧関連では「代替生産」により生産・供給量を上げる資材メーカーが多い。同業他社が被災したことで関東地域向けに棒鋼を4000トン受注したのは共英製鋼。生産は子会社の関東スチール(茨城県土浦市)が行っている。中山製鋼所も被災した新日本製鉄(釜石製鉄所)と住友金属工業(鹿島製鉄所)から棒鋼や線材、ホットコイルなどの増産要請を受け、本社の大阪・船町工場で10~20%の増産。ライフラインの復旧に伴い需要が高まるガス管や水道管の継ぎ手では、仙台市と直接契約したJFE継手(大阪府岸和田市)が鋳物製継ぎ手の生産を20~50%増加。電線敷設などを請け負う建設会社向けの需要が急拡大した日本電線工業(大阪府大東市)は防災用電線や工場の生産ラインを動かす計装・制御用ケーブルなどを増産している。
生活雑貨関連では、「シルク」「ミーツ」の店名で100円ショップを全国展開するワッツ(業界第5位)が東北エリアで6%ほど売り上げを伸ばす。被災地では生活雑貨用品をまとめ買いするお客が多く、紙コップ、紙皿、アルミホイル、ガスボンベなどの売れ行きが好調だという。
復興需要が被災地から遠く離れた大阪の企業に受注増という恩恵をもたらした。これから起こる本格復興が各業界にどう影響をもたらすか、大いに注目される。
(PANA=写真)