「政府の対応が誇り」と投稿したら集中砲火を浴びた
「新型コロナがだいぶ収まってきて、自由に出かけられるようになってきたというのに、気持ちは晴れません。なんだかむなしさを感じたり、鬱々としてしまうんです」
上海に住む友人は電話の先でこうため息をつく。上海ではかなりレストランが再開してきているし、スポーツジムなどなじみの施設に再び通い始めた知り合いもいる。それなのに、なぜむなしさを感じてしまうのか。友人はその理由をこう語る。
「コロナで引きこもり生活だったとき、SNSに『(コロナにほぼ打ち勝った)中国政府の対応を誇りに思う』と書き込んだところ、同僚や友人から集中砲火を浴びてしまって……それで落ち込んでしまいました」
友人が受けた集中砲火というのは「政府は情報を隠蔽して感染を拡大させたのだから、誇りに思うとは何事だ!」という、同じ中国人からの意見だ。その友人は中国共産党の党員でもないし、ごく普通の会社員だ。ただ、新型コロナに関して、ちょっと自分の意見をSNSに書き込んだにすぎない。それなのに、SNS上に反論の書き込みが投稿され、ビックリしたというのだ。