セクハラの境界線はどこに

職場でのセクハラ・パワハラ問題が後を絶たない昨今。2019年の日本労働組合総連合会の調査によると、労働者全体のおよそ38%が「職場でハラスメントを受けたことがある」と回答。そのうち「セクハラの被害に遭ったことがある」と回答した女性は4割近くに上っている。男性にとっては「ちょっとした冗談」「部下とのコミュニケーション」のつもりが、相手を傷つけてしまうケースも多い。

彼女の近くに男に「停止」を言っている女性
写真=iStock.com/baona
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平成の終わりに#MeToo運動が盛り上がりを迎え、時代は少しずつ変化しつつある。その一方で、職場の男性同士の会話では「女性との接し方をどう変えたらいいのかわからない」という嘆きもよく耳にする。

筆者自身、会議や打ち合わせでちょっと場を和ませようとして発した一言が同僚女性からの反感を買ってしまったり、思わぬ誤解を招いてしまったりした苦い経験も、1度や2度ではない。そのたびに「うかつな発言はやめよう」と反省。思い返すたびに冷や汗が出る。

男性・女性間のコミュニケーションのすれ違いをなくすこと、特に男性側が女性の気持ちを汲み取ろうとすることは、職場でのセクハラ・パワハラを防止し、円滑なコミュニケーションをとっていくうえでも欠かせない。