伝え方で感情が変わってくるのが、人の認知の面白さ
さらに、別の例として、以下の2つの文章を見比べてみてください。
「このダイエットは90%の人が成功しました」
「このダイエットは10%の人が失敗しました」
お分かりの通り同じことを言っているのですが、同じ事実であっても聞く側の認知の仕方が異なります。これは認知心理学になり、多くの人は前者の場合はトライしても、後者の場合はトライしたいと思わなくなります。これをパーセンテージではなく、人数で言われると、人はさらにネガティブになります。
「この手術は、去年95人の患者さんが失敗しました」
こう言われると、たとえ95人というのが全体の0.数パーセントであっても手術を受けない可能性が高くなるのだそうです。
さらに面白いことに、医師自身が病気になった時に、「この手術は9割成功します」と言われたら一般の人と同じように手術を受ける傾向があり、「1割失敗します」と言われたら手術に踏み切らない、といった傾向にあるようです。
理性的で医学の知識のある医師であっても、伝え方で感情が変わってくるのが、人の認知の面白さです。