伝え方で感情が変わってくるのが、人の認知の面白さ

さらに、別の例として、以下の2つの文章を見比べてみてください。

佐々木康裕『感性思考 デザインスクールで学ぶ MBAより論理思考より大切なスキル』(SBクリエイティブ)
佐々木康裕『感性思考 デザインスクールで学ぶMBAより論理思考より大切なスキル』(SBクリエイティブ)

「このダイエットは90%の人が成功しました」
「このダイエットは10%の人が失敗しました」

お分かりの通り同じことを言っているのですが、同じ事実であっても聞く側の認知の仕方が異なります。これは認知心理学になり、多くの人は前者の場合はトライしても、後者の場合はトライしたいと思わなくなります。これをパーセンテージではなく、人数で言われると、人はさらにネガティブになります。

「この手術は、去年95人の患者さんが失敗しました」

こう言われると、たとえ95人というのが全体の0.数パーセントであっても手術を受けない可能性が高くなるのだそうです。

さらに面白いことに、医師自身が病気になった時に、「この手術は9割成功します」と言われたら一般の人と同じように手術を受ける傾向があり、「1割失敗します」と言われたら手術に踏み切らない、といった傾向にあるようです。

理性的で医学の知識のある医師であっても、伝え方で感情が変わってくるのが、人の認知の面白さです。

【関連記事】
なぜ、マックの高卒バイトがマイクロソフト本社にヘッドハンティングされたか
これから始まる地獄の倒産連鎖…コロナの影響をモロに受ける12業種
「地獄が始まった韓国経済」通貨大暴落! 頼み綱の日韓スワップも締結至らず
なぜ昭和おじさんたちは、緊急事態宣言でも"不要不急の出社"をしてしまうのか