社員の8割がリストラ対象の現実
【電機】リストラが加速している。02年の不況時のリストラが震度4から5とすれば、今回は震度6か7レベルの烈震だ。発表している削減数でも7000人とか2万人とか、とにかく規模が大きすぎる。自動車から始まり、主要産業の電機や鉄鋼のリストラがきて、次は化学だろう。
【化学】うちも自動車や電機産業からの受注比率は高い。需要が急減して在庫があふれている状態だ。確かに以前の不況とは深刻度が全然違う。
【サービス】すでに関連会社に社員を送り込む動きが始まっている。人件費負担の面倒を見る前提で、出向という形で送り込んでいる。企業としてはとりあえず預かってくれという形だ。一般に水面下の人減らし策として転籍文化と財閥系の出向文化がある。出向文化の企業は55歳をすぎると、関連会社や取引先に出向させる。大手だと数百人規模になる。しかし、ここまで業績が悪くなると、人件費を全額出向先に負担してもらって、転籍させるしかないだろう。
【化学】うちもそうしたいところだが、それなりに使える人材なら転籍で押し込めるが、パフォーマンスの悪い社員は今、どんどん本社に戻されている。さすがに取引先も抱え込む体力がなくなり、会社からは「3月末までにお返しします」という話も増えてきている。こちらとしては「社長、そんなこと言わないでなんとか後1年はお願いしますよ」と言っているが“返品”が増えている。彼らをどうするか頭がいたい問題だ。
【広告】うちの場合は団塊の世代の社員が多く、今後5~6年の間に定年を迎えて社員が大幅に減少する見込みだが、その前に何らかの対策を迫られるかもしれない。ただし、うちは「人は財産」という方針で過去にも希望退職を実施したことがないし、人事としてはそれを願うしかないね。
【サービス】同業他社の人事部では人事担当役員から、人員削減を見越して、引き取ってくれそうな企業の情報を集めておけ、という指令が出ているそうだ。人事部員1人につき紹介先が何件というノルマを課している会社もある。こんな状況で人を欲しがっている会社を探すのは大変だ。業界内で探すのは至難の業で、業界外で探すしかないが、再就職できても年収が下がるのは間違いない。
【電機】リストラの対象となるのは削減効果の大きいところから、というのが常識だ。一番手っ取り早いのが不採算部署を閉鎖する部分整理解雇だ。次に対象になるのは人件費コストが高くて、切りやすい管理職だろう。非組合員ということもあるが、事業規模が小さくなるとマネージする人はそれほどいらなくなる。その次は中高年のスタッフ職だ。人件費も相対的に高い層であることは間違いない。年齢的には45歳以上だろうね。