早稲田出身者にとって、さらにショッキングなデータをご紹介しよう。それが図の「早慶ダブル合格者の進学先」。「早慶両方に受かった場合、どちらを選ぶのか」という、究極の選択を示したデータだ。結論からいうと、早慶の真っ向勝負になれば、慶應に軍配が上がる傾向にある。早稲田の法学部と慶應の法学部に受かった場合、なんと9割以上が慶應を選んでいた。早稲田の政経学部と慶應の法学部に受かった場合でも、約3分の2が慶應を選んでいたのだ。

慶應を選ぶ受験生が多いが早大政経も健闘

学歴の“トップブランド”は早稲田ではなく、慶應

慶應人気の背景について、大学生の生態に詳しいコラムニストのオバタカズユキさんは、「いまの受験生は、親の価値観に左右されます。受験生の親はブランド志向が強く、学歴の“トップブランド”は早稲田ではなく、慶應と見なしていることが大きいでしょう」と分析する。

政財界では、エスタブリッシュメントである慶應出身の二世、三世が幅を利かせている。さらに慶應には、鉄の結束を誇る交友組織「三田会」もある。「慶應生は人脈やビジネスチャンスに恵まれ、就職がしやすいことを受験生の親も知っています」(オバタさん)。

もっとも、「早慶の偏差値に、大差はありません。いまの学生は、自宅からの通学を好むので、埼玉在住なら早稲田、横浜在住なら慶應といった具合に、立地で選ぶ人も相当いるのではないでしょうか」(オバタさん)との見方もある。