混乱を呼ぶために存在する人もいる。
「すべての議題に対して文句をつけ、場の雰囲気を混乱させる50代前半部長」(自動車)
ああまたか……という聞こえない舌打ちが響く。驚いたことに、
「同じ話を何度も繰り返し、会議の議事進行を妨げる50代前半部長クラス」
「知ったかぶりして、何でもかんでも口を挟む40代後半の評論家マネジャー」
「人が一生懸命話しているにもかかわらず、腕組みをしたまま冷ややかに見下した態度をとる40代後半課長」
……という計4名は、同じ職場に勤務中だ。彼らが一堂に会した会議を想像するのは楽しい。
「『会議で発言しない人は参加している意味がない』と言う40代半ば課長。でも、その課長の発言が最も無意味か意味不明。しかも長い。『まとめますと……』と言いつつまるでまとまってない。結論が出ていることをぶり返す。議論の内容とまったく異なる話題を出す……発言すりゃいいってもんじゃないだろう」
と嘆く証券係長も大変だが、食品大手の30代課長代理の例も泣ける。
「製造委託先での試作前打ち合わせ。数百万円かけて、どういう処方で製造するか決定する大事な会議だった。作ったものでヒト臨床試験して、その結果を関係省庁に提出しなければならない」
ああ、それなのに。
「当日になって、急に40代後半の課長クラスが、『おい! あの検討はやったのか?』『これとこれの結果は?』……ンなこと聞いてないよ」
と大混乱。結局、50代半ば部長が、
「『できるかできへんのか、実際にやってみないとわからんけど、まあやってみよか!』……って、おい、普段マネジメントしてないくせに、軽く流すな!!」
部長は後に、課長クラスに降格された。