世界的な金融危機に伴い、負債を抱えた新興財閥に、国の資金を注入した露・プーチン政権。資金の割り振りは「プーチンのリスト」によって選別され、結果的に国家が産業界を取り込んでいった。こうした動きは新興国に見られ、市場経済を推し進めつつ、国家が市場を統制する「国家資本主義」として広がりつつある。

PANA=写真

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国家資本主義には2つの側面がある。一つは、国有部門の比重や民間企業に対する国家の統制が大きいことであり、もう一つは独裁政権を含む「強い国家」の存在と民主主義の制限だ。銀行を国有化し、融資を通じて民間企業を政府の戦略路線に乗せる手法を使った朴正煕元大統領政権下の韓国がその一例である。

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