「今の関係が楽だからこのままでいい」

実際、私が話を聞いてきた人たちの中には、何度デートを重ねていても、「今の関係が楽だからこのままでいい」「告白することでこの関係が崩れたらどうしよう」と、選択を避ける人たちが多くいました。

婚活における優柔不断は、これまでの人生で決断をしてこなかったことと欲のなさが大きく影響していると思います。幼い頃から社会人になるまで、自分でリスクを取ってなんらかの選択をするという経験をしていない人が多いのかもしれません。

一般的に小学校、中学校までは公立、途中で私立に入るとしても親の方針が大きく影響していることが多く、自分で進学先を決めることはないでしょう。

また、大学全入時代と言われる最近では大学も義務教育に近いものと捉えられているため、一定以上のレベルに達していれば大学に進学することが無難という風潮があります。

誰かに強い後押しを求めることも必要

一方で、進学校と呼ばれる学校では、高校卒業後に専門学校など職業に直結した進路を取るほうがリスキーだと反対されることもあります。選択の機会に恵まれずに育ってきた人が、大人になってから突然、人生を変える選択をできるのか。やはり難しいのではないでしょうか。

さらに、世の中の結婚しない男女に対するプレッシャーが少なくなってきていることも影響しています。「別に結婚しなくても生きていける」と考える人が増加しているのです。必死になって結婚しなくても現状維持で十分と考えているわけで、選択すること自体を避けてしまうのです。そういう人は、確かに無理に結婚せずともよいのかもしれません。

ただ、本音では誰かと結婚したいけど、優柔不断で決められないと悩んでいるのなら、誰かに後押しを求めることも必要ではないでしょうか。そうした時に結婚相談所の仲人さんもまた、強い味方になってくれるはずです。

草食系男子は婚活市場で不利なのか?

2009年頃から「草食系男子」という言葉が世の中に浸透していきました。草食系男子とは、恋愛にも出世にも消極的な男子を指した言葉で、何事にも貪欲な「肉食系」男子とは真逆の性質を持ちます。草食系男子は、現代日本の豊かな生活の産物で、欲しいものは何でも手に入る環境におかれていたため、物欲が極端に低くなったと言えます。

私の父親世代では子だくさんな家庭が多く、兄弟姉妹が複数いました。その結果、親もひとりの子どもにばかり構ってはいられないため、子どもたちは自分の事は自分でやらなければならず、必然と自主性が必要とされました。私も3人兄弟で、基本的には自分のことは自分でやるよう教えられてきました。

しかし、最近はひとりっ子が多く、親がなんでもやってあげてしまう傾向があります。自ら進んで何かをしようとする子どもは年々少なくなりました。そうした競争性や自主性の低下が草食系男子の生まれた要因となっているのでしょう。

ちなみに、草食系男子が登場する前後には、運動会でも順位をつけるのをやめようとする動きがあるなど、他者との優劣をつける環境も低下しています。