打ち上げ回数で米国とロシアを追い越す

1990年代後半からの経済発展に伴い、軍事費の飛躍的な増大と科学技術の急激な発展を受け、軍民両用での宇宙開発が加速した。

その象徴的な出来事が、有人宇宙飛行技術の進展である。中国では1999年に建国50周年に合わせて中国初の宇宙船神舟1号の打ち上げに成功し、2003年10月には宇宙飛行士・楊利偉を乗せた神舟5号の打ち上げに成功した。これにより中国は、自国のロケットによる有人宇宙飛行に成功した世界で3番目の国となった。さらに中国は、米国、ロシア、日本などが協力している国際宇宙ステーションに対抗して、中国一カ国のみで宇宙ステーション天宮の建設を進めており、2022年には運用を開始する予定である。

またカーナビなどに広く利用される衛星測位システムは、米国がGPSを1980年代に導入し、ロシアもグロナスを2012年に完成させたが、中国も北斗衛星測位システムを独自に構築しており、2020年から運用を行う予定である。

中国は、遅れていた科学探査や技術開発にも力を入れており、2013年に探査機を月面に軟着陸させ、2019年には世界で初めて月の裏側への探査機の着陸を成功させた。また、解読が不可能と言われる量子暗号通信技術の開発を行う衛星である墨子を、世界に先駆けて2016年に打ち上げた。

このような背景から中国ではロケットの打ち上げ回数が非常に多くなっており、図表1に見るとおり2018年、2019年には米国やロシアを抜いて2年連続で世界一となっている。この打ち上げ回数には軍事衛星打ち上げも含まれており、宇宙活動のレベルが世界トップとなっていることを示す。