「投資信託の中でも、複数の株式や債券などをバランスよくパッケージして詰め合わせてくれる『バランス型投資信託』は初心者向け。もう一歩踏み込んだ投資をしたいのであれば、市場の指標や指数に連動する投資信託の『インデックスファンド』がお勧めです」(横山氏)
これから投資を始めるのであれば、手数料が安く、商品が豊富なネット証券に口座を開設することを横山氏は推奨。インデックスファンドには手数料がかからない「ノーロード」という商品もある。また、投資信託には管理・運用にかかる手数料「信託報酬」が別途かかるので、なるべく低いものを探すとよい。
そして少額投資をするのなら、購入は毎月の積み立てを選びたい。バランス型投資信託やインデックスファンドを一括購入する場合、1万円前後かかる商品が多いのに対し、積み立てであれば100~1000円でも可能。また、価格が変わる金融商品を一定額ずつ分けて購入するのは「ドル・コスト平均法」と呼ばれ(表)、購入タイミングを迷うことなく、高値づかみするリスクの軽減効果も期待できる。
「気をつけたいのは、短期の市場変動に影響されて売り買いを繰り返さないことです。投資は貯蓄の進化系と捉えるべきで、長く熟成させてこそリターンを得られます。仮に世界恐慌や株価暴落が起きても、長い目で見れば経済は持ち直すケースが多い。あわてず堅実に育てていきましょう」(横山氏)
ほったらかしでも着実に稼ぐ
投資ブロガーとして活躍するタクスズキ氏も「少額のほったらかし投資」派だ。「投資していることすら忘れる投資で、リターンを細かく稼ぐのが一番。着実に資産は殖えています」という。
スズキ氏は、超少額投資ともいえる「ポイント投資」「おつり投資」などを幅広く運用。カードポイントやおつりなど、「本来あってないようなもの」を投資に回せるサービスであるため、もし失っても生活に大きなダメージを与えない。
「たとえばPayPayとヤフーカードを連携させると、買い物した額に1%のTポイントがつくので、僕はそのポイントを投資に回すようにしています。また注目してほしいのが、証券会社に口座を開設したり投資信託を保有したりした際、提携のポイントが付与されるキャンペーンやサービスです。保有残高に1%のポイントがつくのであれば、実質的に1%のリターンがあるということ。低金利時代ではバカにできません」
スズキ氏が投資で主に活用するのは、スマホアプリだ。様々な金融商品のサービスでアプリを提供しており、近年、使い勝手も向上した。
「アプリはどれぐらい投資し、どれぐらいお金が殖えているか、資産管理が一目でわかるものが多い。いくつかの質問に回答すると、どんなタイプの投資が最適かを教えてくれる診断アプリもあります。初心者は楽しみながらできるのでは」(スズキ氏)
横山氏によれば、「たとえ少額の投資でも、『このお金があれば投資に回せる』という意識が生まれ、浪費体質の改善につながることが多いんです」とも。お金への意識を変えるかもしれない、少額投資。どのような商品があるのか、紹介しよう。