他人には厳しく自分には徹底的に甘い
上脇博之神戸学院大教授が、異常に高額な税金が登記もされていない幽霊会社に流れているのは、政治資金の適切な使い方ではない、キックバックなどの疑いを持たれても仕方ないから、きちんと説明責任を果たすべきだと指摘している。
しかし、進次郎は12月27日の記者会見で、独身時代に既婚女性とホテルに宿泊したと報じた文春の記事について、「個人の事柄についてお話しすることはない」と説明責任を果たさなかった。
また、ホテル代が政治資金で支払われたのではないかという指摘に対して、「事務所にも確認し、法令にのっとって適正に処理していると認識している」と述べただけだった。
森友学園問題で安倍首相の説明責任が問われていた時、当時、自民党筆頭副幹事長だった進次郎は、「平成政治史に残る大事件」とコメントして、首相の説明責任について厳しく言及していたのに。
他人には厳しく自分には徹底的に甘くというのが、永田町のセンセイ方の通り相場だが、進次郎も同様ではないか。
父・純一郎とて評価されるべき首相ではなかった
省みれば、進次郎の父親・小泉純一郎とて、それほど評価されるべき首相ではなかった。
首相在任中、小泉は靖国神社に参拝して、「内閣総理大臣小泉純一郎」と記帳し、中国の反発を招いた。竹中平蔵を内閣府特命担当大臣に起用して、構造改革を進めるといいながら、企業の求めに応じて労働者派遣法を改正して、製造業にまで広げた。そのために人材派遣会社は急成長し、非正規労働者を急増させてしまったのである。
現在の超格差社会の基をつくったのは小泉と竹中である。その竹中は、彼らのおかげで大手人材派遣企業になった「パソナ」の会長に収まっているのだから、呆れるというより怒りが湧いてくる。
純一郎は国会で答弁に窮すると、「人生いろいろ」、「
9・11後、ブッシュが「イラクに大量の破壊兵器がある」という嘘をつき、イラクに派兵するとぶち上げた時、小泉は真偽を確かめもせず、ためらうことなくブッシュに賛成した。
だが、その後、大量兵器などなかったことが判明し、ブッシュでさえも謝ったのに、小泉純一郎のほうは、間違っていたと謝罪したとは聞いていない。
政治家として耐えられない軽さが父子に付き纏っている
小泉純一郎は、元妻に対しても冷たい人間だった。離婚してから、小泉の母親が亡くなったとき、元妻と彼女が引き取った三番目の子どもが葬儀に来て、手を合わせたいと頼んだのに断った。三男が父親に会いたいと何度か訪ねて来たのに、
純一郎の祖父で進次郎の曽祖父である小泉又次郎は、横須賀市長、逓信大臣、衆議院副議長などを歴任し、義侠心のある大衆政治家として人気があったというが、入れ墨があったことから「いれずみ大臣」「いれずみの又さん」などの異名をとったという。
純一郎のいい方にどこか縁日の香具師のようなニオイがするのは、又次郎から受け継いだものなのであろうか。