民営化した日本郵政グループは不動産開発事業への本格参入を表明しており、その第1弾として東京都目黒区の社宅跡地(約2300平方メートル)に分譲マンションを建設し、2010年度上期にも販売を開始すると発表しました。5階建ての60戸規模、最寄り駅は、東急田園都市線の池尻大橋駅で、駅から徒歩わずか4分、緑豊かな東山公園に隣接する一等地の物件です。
日本郵政が全国に持つ土地と建物の資産は3兆円近く(マンション用地となりうる社宅は全国に約2500カ所)といわれます。これまでほとんど活用してこなかった地価の高い都心(中央区、千代田区、港区など)の社宅や遊休地の跡にマンションを分譲していくのは確実でしょう。
今回の目黒区のプロジェクトが成功し不動産事業が軌道に乗れば、ほかに不採算部門を抱える同社だけに経営改善の切り札とするべく、この事業を加速させる可能性も大いにあります。
もう一つ注目しているのが臨海副都心エリアです。巨大観覧車のある商業施設「パレットタウン」は10年までで使用期限が切れます。跡地には森ビルとトヨタ自動車によってオフィスビルやホテルが組み合わさった複合施設が整備される予定です。
臨海副都心エリアの主要交通機関である「ゆりかもめ」は、現在、新橋駅から豊洲駅までを運行していますが。近い将来、豊洲駅から勝どきまで延伸する計画があるようです(勝どき~東京駅まで延伸するといった一部の情報も)。ここでも、企業の倉庫や工場の跡地を利用した再開発プロジェクトが盛り上がるかもしれません。
(構成=大塚常好)