「#忘年会スルー」が話題だ。若手社員たちは続々と、「会社の忘年会は参加しない(スルーする)」ことをSNS上で宣言している。なぜ忘年会はスルーされるようになったのか。経営コンサルタントの小宮一慶氏は「会社にとって忘年会は重要だ。会社側はスルーされない工夫をすべきだ」という――。
ほぼ全員が参加する「海外社員旅行」の中身
「私の会社では毎年社員とお客さまみんなでクリスマスパーティーを開きます。今では珍しいかもしれませんが、そこでは寸劇も披露されます。また毎年社員旅行にでかけていて、5年に1度はハワイに行きます。会社にも社員にとってもメリットが大きい。だからうちの社内行事にはほとんどの社員が参加しますよ」
経営コンサルタントの小宮一慶氏はこう話す。だが、こうした小宮氏の会社は、世間一般では“暑苦しい”と受け取られがちだ。本当にすべての社員がよろこんでいるのだろうか。
小宮氏はこう話す。
「いま『#忘年会スルー』が話題ですよね。この原因は社員と会社側のそれぞれの考え方が行き違っているからです。若手社員はプライベートに時間を割きたい人も多いでしょうし、忘年会の参加費を自己負担するのがいやなのでしょう。仮に参加費が会社負担だとしても、上司に飲まされる。参加したくない気持ちも理解はできます。
彼らは友人と忘年会は開くようですから、忘年会という行事自体が好きではないのではなく、会社が好きではないのです。また、終身雇用制度が崩壊し、会社で我慢するメリットを享受できなくなったのも大きいでしょう」