「世界との連続性」の中で考える

【猪子】たとえば強い個として認識されているものも、当たり前だけど世界との連続性の中の一部であって、些細で小さなものの連続性の集合の中で偶然的に生かされていて、そのこと自体が非常に美しいと思っている。それから、僕らが確実に見えていると認識していることや、当たり前に普遍的だと信じていることすべては、世界との連続性の中で、本当は脆く儚いと思うんだ。

猪子寿之、宇野常寛『人類を前に進めたい チームラボと境界のない世界』(PLANETS)

【宇野】「小説トリッパー」で連載(『汎イメージ論』)をしていると言ったと思うけど、チームラボは「人間同士の境界線」「モノ同士・作品同士の境界線」「人間と世界との境界線」という、三つの境界線を全部分解しようとしているんだということを書いてるんだよね。ただ、今話している二次元と三次元の境界は、それとは別の、第四の境界なのかもしれないと思う。それはたぶん、究極的には生死の境界線だと思うんだけど……ここらへんはもう少し考えていきたいね。

【猪子】やっぱり人類を前に進めるためには、固定観念を破壊する必要があるんだよ。破壊と創造はセットだと思うしね。……それはともかく(笑)。「ボーダレス」も、この世界が好きという方が、年に20回も30回も来て、何度も遊んでくれるような場所になってほしいと思ってるよ。

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