子どものやる気を引き出すにはどうすればいいのか。東京学芸大学附属世田谷小学校の教諭・沼田晶弘氏は「何でもいいので長所を1つ褒めれば、自信がついてほかのことにも意欲的になってくれます」という——。

※本稿は、沼田晶弘『世界標準のアクティブ・ラーニングでわかった ぬまっち流 自分で伸びる小学生の育て方』(KADOKAWA)を再編集したものです。

写真=iStock.com/maroke
※写真はイメージです

『ドラゴンボール』と『ワンピース』の違い

昔の人気漫画の一つ『ドラゴンボール』(集英社)は、結局、主人公である孫悟空一人がスーパースターの物語でした。もちろん、ベジータとか、ピッコロとか、脇役の活躍もしっかりと描かれてはいるのですが、戦いの最後、相手にとどめを刺すのは、決まって悟空の仕事だったのです。

世界的に有名になった『キャプテン翼』(集英社)でも、最終的に勝利を決めるゴールは翼くんですし、ほかの漫画でも、おいしいところは主人公が全部持っていきます。チームを組んでも、最終的には主人公に頼るのです。しかも、その主人公は、何でもこなせるオールラウンダー。

けれど、今の漫画は、主人公がオールラウンダーと言うより、さまざまなスペシャリストが集まってチームを組み、主人公もその中の一人という設定が増えてきたような気がします。その代表的なものが、海賊王を目指す『ワンピース』(集英社)ではないでしょうか。

もちろん、『ワンピース』でも、最後にとどめを刺すのは、主人公のモンキー・D・ルフィのことが多いのですが、悟空に比べてルフィには苦手なことがたくさんあります(悪魔の実を食べてゴム人間になったので、海に落ちるとおぼれてしまいます)。そして、そのルフィができないことを、周りの仲間たちが補っているのです。