現状に満足しない経営風土

今後の展開によってはソフトウェア開発の力を応用して、ビッグデータなどの分析ソフトウェアを開発し、それを用いてより効率的な生産プロセスを提案することもあり得る。また、キーエンスがIoT(モノのインターネット化)などに関するシステムを開発・販売することもあるだろう。

今後、経営陣に求められることは、組織全体を一つに束ね、現状に満足せず新しい取り組みにチャレンジする経営風土に磨きをかけることだろう。それは、キーエンスが急速かつ大きな環境の変化に対応するために欠かせない要素の一つだ。

その上で業績の拡大が実現できれば、キーエンスが少数精鋭の高収入企業としての存在感を発揮し続けることはできるだろう。当面は、新経営トップの指揮のもと、どのようなビジネスモデルが目指されるかに注目が集まるだろう。

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