「なぜ、私だけが育児をしなければならないの?」

近所に住むB美さんのママ友グループの話では、彼女たちの夫のほとんどが、率先して育児を手伝おうとする、いわゆる「イクメン」だ。彼らは育児のみならず家事にも協力的で、「子供を風呂に入れるのは、平日も休日も夫の仕事」「保育園への送り迎えは夫がやってくれる」「週の半分は夕食の買い物から料理、後片付けまで夫がする」などと聞いている。なかには、「毎日、僕のいない間はずっと頑張ってくれているんだから、週末のどちらかは自由に過ごしたら?」と、家事と育児から解放する時間を設ける提案をしてくれる夫もいるという。

B美さんが近所の家庭話を夫に伝え、少しは手伝うようにうながしても「家庭によってルールが違うのは当然だ」「そんなにイライラするなら、外で食事を済ませてくるから」と、とりあってくれる気配はなし。「なぜ、育児を手伝おうとしないの? 子供がかわいくないの?」「なぜ、私だけが育児をしなければならないの?」とストレスがたまる一方のB美さんは、先月とうとう子供を連れて実家に戻ったのだった。

収入の多くをゲームに費やし、家計は火の車

C菜さん(28歳)は、1年前に2歳年下の今の夫と「さずかり婚」をした。2人はそれまで同棲していたものの、婚姻届は提出していなかった。「私は結婚したかったのですが、夫が『まだ結婚してやっていく自信がない』と。子供ができたのをきっかけに結婚することで、父親として責任感を持ってくれたらいいな、と思っていた」とC菜さん。

その期待は、ことごとく裏切られた。結婚して、子供が生まれても、夫は自分の生活のペースを変えようとしなかったという。「家事や育児に協力してもらえるとは最初から思っていなかったが、せめて金銭的なことだけでも負担してほしかった」とC菜さんが言うように、夫は独身時代と同じように毎月収入とほぼ同じ金額をゲームに費やしていたのだった。当然、家庭に入れる生活費は全額C菜さんが負担することになり、家計は火の車。そのことについて何度も話し合いを持とうとしたが、「俺みたいな人間に期待されても無理だから」と家庭に向き合おうとしなかった。

「そろそろ子供も言葉を覚え、まわりのことに関心を持ちはじめる時期。家にいる時はずっとゲームをしていて、子供にかかわろうとしない夫の悪影響を受けるくらいなら、いっそいないほうがいいと思った」と離婚を決意。今は子供と2人、新しい生活をスタートさせている。