過去4年間、秋田県と福井県が小学校(国語、算数)、中学校(国語、数学)の各カテゴリーで1位と2位を占めてきた文部科学省の全国学力テスト。2010年、小さな変化が起きた。小学校の国語で、青森県が福井県を抜き2位になったが、その差は0.4ポイントとごくわずかで、二強の学力の高さに揺るぎはない。
秋田県の強さの秘訣は、徹底した少人数制クラスにある。基本的に1クラスの人数は、小学校1、2年生と中学校1年生で17人以下。その他の学年でも20人程度と極めて少ない。同県教育委員会の土倉新也指導主事は「子供たちに先生の目が届きやすく、個人に応じた指導ができる」と話す。
一方、福井県の強みは、60年近く継続してきた県独自の学力調査にある。県の教育研究所が調査結果を報告書としてまとめ、その報告書を県内の小中学校に配布。子供たちの苦手な問題についてどう指導したらいいのかといったことがフィードバックされる仕組みになっている。同県教育委員会の戸田勝徳課長補佐は「テスト結果は必ず分析し、それをその後の学習指導に生かしている」と語る。
(ライヴ・アート=図版作成)