木村氏によると、ぴったり合う靴は加齢によっても変わるという。

「スポーツ工学研究所の調べでは、足の形や重心は50歳を境に変化します。長年体重をかけ続けることで、母趾球と小趾球を結ぶ横アーチが潰れやすくなるため、足幅が外側に広がります。外側に広がると重心も外側にかかるようになるなど変化し、結果として歩きやすいと感じる靴も変わってくるのです」(※一部には内側に広がる人もいる)

快適な靴を履けば、運動意識も高まる

併せて、特に紐靴は都度、紐を結びながらフィッティングして履いてほしいと木村氏。

「靴ベラを使わなくても履けるほど余裕がある状態は、サイズが大きいということになります。歩くときにパカパカとかかとが靴から浮くのは格好いいものではないですし、何より足が無理をして靴を履いているわけですから、姿勢が崩れやすくなりますし、腰痛・膝痛に繋がりかねません」(木村氏)

良心的な靴屋であれば無料で足の計測をしたり、足の形状に合わせ靴の微調整もおこなってくれる。そのような対応をしてくれる店を選ぶのもポイントだ。

自分の足にぴったり合う靴を履いていれば当然歩きやすくなり、余分な力がかからなくなるため、腰や膝への負担も予防できる。

長時間歩行への苦痛が軽減されれば、一駅分歩いてみようとか、エスカレーターを使わず階段にしようとか、運動意識も自然に上げられるだろう。