息子は受験に向かない子

私の息子は大学まである私立校に中学から進学しました。正直に言えば、息子は受験に向かない子でした。この先何度も受験があったら絶対どこかであきらめてしまうと心配して、一貫校を勧めたのです。

しかし、受け取る人によっては「お金持ちは違うわね」と、やっかみ交じりに考えるかもしれません。ですから私は、先の「3つの方法」を駆使しつつ、「子供が1人だから何とか入れられたんですよ」と言い添えるようにしていました。

2人も入れられるほどの経済力はない、というマイナス面を強調した言い方が功を奏したのか、その言い方は周囲にすんなり受け入れてもらえました。

正直に「性格的に受験に向く子じゃないから」と、子供のマイナス面を伝えたこともあります。実際、本当にできる子は数度の受験を乗り越えて進学していきますから、それに比べれば一貫校は試練が少ないと言えます。嫉妬を避けるには、このようにマイナス面を伝えるのも有効だと思います。

それにしても、子供自慢や孫自慢が嫌味に聞こえたり、嫉妬の対象になったりするのはなぜでしょうか。有名校への合格はその子の努力や能力の賜物であって、親や祖父母の功績ではありません。それなのに自分のことのように自慢されたら、単なる持ち物自慢に聞こえて「子や孫はあなたの付属物じゃないのに」と反発を感じるのではないでしょうか。

自慢の内容がその人の努力の成果なら「がんばったね」と素直に讃えることができても、家族の功績自慢は反発や嫉妬のもと。子供の進学先についてもこの点を忘れずに、上手な伝え方を工夫してみましょう。

【対策】自慢は大敵! 質問をかわす3パターン

(構成=辻村洋子)
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