「社会は変えることができる」というメッセージを届けたい

国立精神・神経医療研究センターに設立されている「自殺総合対策推進センター」によると、子どもの自殺は、中学校と高校の生徒は9月1日が、小学生は11月30日が最も多い。佐藤さんは「11月30日に向けても、スクハラの相談窓口設置を求めるキャンペーンを展開していきたい」と話している。

佐藤さんは、自らがスクハラの被害者であり、いまも睡眠障害で苦しんでいる。それでも、なぜここまでの活動ができたのか。東京都に署名を提出した直後の佐藤さんに聞くと、「苦しんでいる子どもたちに前向きなメッセージを届けたかった」という答えだった。

「こうしている間にも、学校からのハラスメントに苦しんでいる子どもたちがたくさんいるはずです。自分が行動し、少しでも社会が変わるように努力している姿を見せることで、世の中が変わりつつあるというメッセージを子どもたちに伝えたいという思いでした。

これだけたくさんの署名が集まったことで、少しでも子どもたちの心に勇気を与えて、希望を見いだしてもらうことができればと思っています」

佐藤さんは9月2日に文部科学省記者クラブで記者会見を行い、スクハラに苦しんでいる児童や生徒、それに保護者らに向けて署名活動の成果を報告する。