歴代の共産党指導者は真の友好を求めてきたか
第2に、ツイッターなど最新の技術を駆使するトランプ大統領は「変幻自在」で先行き不透明で、内心が読み取れない、と日本のメディアはよく語る。これも同盟国としてあるまじき批判といえよう。
では、毛沢東をはじめ、歴代の中国共産党の指導者は日本国民に胸襟(きょうきん)を開いて、真の友好を求めてきたことがあるのか。ツイッターも電子メールが出現した時代と同様で、一種のツールでしかない。日本は米国に対する先入観と、中国に対する幻想を放棄しない限り、米国が中国を完全に圧倒した暁には、見放されるかもしれない。
もちろん、自発的に「中国の朝貢(ちょうこう)国」になる道も残されている。そうなれば、100万人単位で強制収容されているウイグル人のように、おおぜいの心ある日本人は自国の領土内で、中国共産党の刑務所に閉じ込められるだろう。
今こそ、日本人に「第2の維新」が迫ろうとしている。
楊 海英(よう・かいえい)
静岡大学教授/文化人類学者
1964年、南モンゴル(中国・内モンゴル自治区)出身。北京第二外国語学院大学日本語学科卒業。1989年に来日。国立民族学博物館、総合研究大学院大学で文学博士。2000年に帰化し、2006年から現職。司馬遼太郎賞や正論新風賞などを受賞。著書に『逆転の大中国史』『独裁の中国現代史』など。
静岡大学教授/文化人類学者
1964年、南モンゴル(中国・内モンゴル自治区)出身。北京第二外国語学院大学日本語学科卒業。1989年に来日。国立民族学博物館、総合研究大学院大学で文学博士。2000年に帰化し、2006年から現職。司馬遼太郎賞や正論新風賞などを受賞。著書に『逆転の大中国史』『独裁の中国現代史』など。
(写真=AFP/時事通信フォト)