両親も祖父母もともに離婚したので私の墓参りは……

ストレスから解き放たれた楽しい老後。年金や高齢者医療に対する不安がストレスになるのではないかと言われればそうなのだが、国や社会が自分の老後を全面的に保証して当然と考えるのも、違うように思う。昔は、そんなセーフティネットなどなかったのだから。

楽しい老後を保証するのは、決して経済的なものばかりではない。大事なのは身の回りの環境である。

そのためにはまず、離婚をしてはいけない。この20年で離婚率は随分と高くなったが、離婚は後顧に憂いを残すし、最大のストレスになると思う。子供がいる場合には、子供にも禍根を残す。

ウチの家系は代々、夫婦別れをしている。私の親も離婚したし、じいさんばあさんも別れている。私は因縁話など一切信じていないから、ただ相性が悪かっただけと思っているが、現実問題として盆暮れの墓参りのときなど非常に困る。祖父と祖母、父親と母親、全部墓が違うのである。

結局、善人が損をする。一番最後に唯一きちんとした家庭を営んでいる私が墓守を一手に引き受ける羽目になった。今はいいけれど、貧乏しているときは本当に大変だった。今でも盆暮れの墓参りの時期になると女房と2人、「そろそろ盆だぞ!」と気合を入れる。綿密にコースと時間を設定して、1日か2日で全部を回れるようにスケジュールを組むのだ。

祖父母は浄土真宗で、父親は日蓮宗、母親は真言宗で葬式をあげた。宗派が違えば聞くお経が違うし、厳密には数珠の形だって違うから面倒くさい。嫌で別れているのだから、墓を統合するわけにもいかない。子々孫々にこんな苦労をさせないためにも、離婚してはいけないのだ。

では私自身、どんな葬式や墓を望んでいるのか。