4大チェーン食べ比べの結果は……

それにしても、かっぱ寿司のすしは本当においしくなったのか。筆者はこの数年、何度かかっぱ寿司ですしを食べて、その味の改善を確かめてきた。今回、あらためて5月上旬のとある平日の昼時、ライバル店である「はま寿司」「スシロー」「無添くら寿司」も訪れ、4大チェーンを食べ比べてみた。

訪れたのは「かっぱ寿司 三鷹店」(東京都三鷹市)、「はま寿司 三鷹北野店」(同)、「スシロー イトーヨーカドー武蔵小金井店」(東京都小金井市)、「無添くら寿司 小金井店」(同)の4店舗だ。

比較できるよう、それぞれの店舗で同じく「マグロ」「甘エビ」「ツブ貝」「イクラ」の4つを注文した。価格は、はま寿司が平日価格の税別90円(土・日・祝日は同100円)、ほか3店が同100円だ。はま寿司のイクラが1貫で、それ以外は全て2貫となる。

左上から時計回りに、はま寿司、くら寿司、かっぱ寿司、スシロー(著者撮影)

肝心の味は、マグロはスシローが頭一つ飛び抜けておいしく感じられた。他の3チェーンのマグロは同程度といったところ。マグロ以外はそれぞれチェーンの違いは感じられなかった。この比較では、大ざっぱに見れば4チェーンの間にすしの味の違いはない。つまり、かっぱ寿司のすしは競合並みのレベルに高まっていると感じられた。

有名ラーメン店とのコラボをシリーズ化

また、かっぱ寿司はサイドメニューも強化している。特に力を入れているのが「ラーメン」と「スイーツ」だ。

ラーメンの強化策として2018年6月から、有名店とコラボするなど味にこだわった「本格ラーメンシリーズ」を始めた。第1弾では北海道の人気ラーメン店「えびそば一幻」の監修商品を期間限定で販売。19年3月からは第5弾として、青森のラーメン店「長尾中華そば」とのコラボ「コクうま鬼煮干ラーメン」を売り出している。同シリーズは好調で、第4弾までの累計販売数は250万食を超えたという。

コクうま鬼煮干ラーメン(プレスリリースより)

回転ずしチェーンでのラーメンといえば、有名なのははま寿司だ。13年に「磯ラーメン」を発売後、海の食材を使ったラーメンを次々と投入。15年6月から発売しているスープにこだわった「贅沢一杯」シリーズも好評で、同シリーズの「旨だし鶏塩ラーメン」は15年に100万食以上、16年は160万食以上を約2カ月間で販売するほどの大ヒット商品となった。

かっぱ寿司がラーメンに目をつけたのは、はま寿司のこうした状況と無関係ではないだろう。しかし、後追いも立派な戦略だ。また、かっぱ寿司のラーメンは有名店とコラボしており、はま寿司とは差別化されている。この路線は、今後の伸びが期待できるだろう。