「がん=死」のイメージが強い

がんに対するイメージと言えば、こんな調査結果があります。内閣府が2012年に実施した、「がん対策に関する世論調査」というものです。

このなかで、「あなたは、がんについてどのような印象を持っていますか」という質問がありました。これに対して4割の人が「こわいと思う」、3割強の人が「どちらかといえばこわいと思う」と答えていました。

がんはもはや国民病ですが、それでもなお、4分の3の国民が「がん=こわい」という印象を持っているのです。

そして、「どちらかといえばこわいと思う」「こわいと思う」と答えた1339人に、「がんをこわいと思う理由」をたずねたところ、いちばん多かったのは「がんで死に至る場合があるから」という理由でした。7割の人が、この理由を選択していました。

「がん=死」というイメージはまだまだ根強いのだな、と思います。

「5年相対生存率」は年々改善されている

実際、がんになったことを告げると、「え……」とか「あら……」などと言ったまま、絶句されることがちょくちょくあります。これ、告げた側からすればとても辛い。

驚いて、なんて言葉をかければいいのかわからない状態なのだと思いますが、そうなるのは、やっぱり「がん=死」「がん=不治の病」と連想してしまうからではないでしょうか。

がんで亡くなることがあるのは事実ですが、亡くなる人のほうが多いのかと言えば、そうではありません。部位による違いはありますが、いま、がんの5年生存率は6割ほどと言われています。

医療は日々進化し、すべてのがんの5年相対生存率は年々改善されてきているので、「いま、がんの治療を受けている人」「これからがんの治療を受ける人」の5年相対生存率はもう少しよくなると思います。