朝早く起きて活動する人が増えつつある。近年、ヘルシー志向が一般化したこともあって、夜遅くまで酒を飲んでバカ騒ぎする人は少なくなった。加えて、リーマンショック以後の景気低迷もあり、世の中の雰囲気は「夜は早く寝て、朝から勤勉に働こう」というものになった。
そして、東日本大震災である。企業のなかには独自にサマータイムを導入するところも出てきて、早朝出勤する人が増えた。また、サマータイムを導入していない企業でも、節電のため、残業を許さないようになった。
このように、世の中は早起き、朝活志向を強めているのである。時間を有意義に使うことが人生のテーマとなっているのだ。
ここでは4人の朝活の達人に、どうして、早起きになったのか、朝活をやっていると、どんないいことがあるのかを聞いた。
朝早く起きるとは、自分で自分の時間をつくり出せること
宗次徳二氏は壱番屋、つまりカレーのココイチを創業した人である。現在は創業者特別顧問の肩書を持つものの、会社経営とは一線を画し、自身が創立したクラシック音楽専門のホール「宗次ホール」の代表者を務めている。
・早起きのきっかけはアンケートはがき
午前4時に起きるようになったのは1987年から。それまでも午前6時には出勤していたのですが、その年から全店から送られてくるアンケートはがき全部に目を通すことにしたので、早起きになりました。毎朝、はがきを読むには3時間半はかかります。読むだけでなく、厳しいご指摘があったら、店舗に伝えるためのメモを作るからです。
経営には、お客さまからの厳しい意見が必要です。叱責された原因を追及し、直していくことでサービスは向上する。ですから、私は、早起きして、はがきに自分で目を通すことにしたのです。