池田千恵さんは「朝のスペシャリスト」である。2度の大学受験失敗を機に早起きするようになり、早朝勉強を半年続けて、慶應義塾大学総合政策学部に入学。その後、ワタミ、外資系コンサルティング会社で活躍し、現在は始業前の時間を有効活用する大人の遊び場「Before 9」を主宰している。また、コンサルティング会社時代、彼女は6年間で7万5000枚もの図解資料を作成した、図解のプロでもある。著書『「朝4時起き」ですべてが、うまく回りだす!』は長い間、読者に支持されている。
・早起きはプチ成功体験
早起きはプチ成功体験です。なぜなら早起きは誰にでもできることですし、365日できる。たとえ、1日、寝過ごしても、次の日に早起きすれば挽回できる。今日の失敗を明日、挽回できる簡単なこと。だから、やらないともったいない。
会社員時代、朝の4時半に起きて、5時10分発の電車で、オフィスのある赤坂に通勤していました。6時過ぎには赤坂のファミレスに入り、各種の勉強と仕事の段取りをしてから8時に出社。出社した時点で段取りは済んでいるので、全開で仕事をすることができました。
現在に至るまで、早起きを続けていますが、もっとも感じたことは、「早起きすると人生は好転」するということ。うまくいかなかったことがすべて順調にいくようになる。たとえば、3つのいいことが思い浮かびます。
ひとつは前向きになること。実際、早起きして太陽光を浴びるとセロトニンという脳内物質が分泌され、細胞が活性化します。また、先ほども言ったように、プチ成功体験を重ねることで自信がつき、これまた前向きになれる。
次は仕事の段取りがよくなること。夜、翌日の仕事の段取りを考えていると、「夜はいつまでもある」ような気になってしまい、だらだらとやってしまう。ところが早起きして、仕事の段取りを考えると、出社までにやらなくてはならないから、短い時間に集中できる。そして、最後は段取りがよくなった結果、仕事が早く終わるようになる。私はお酒が好きなんですが、仕事が早く終わってから飲むと、充実感、達成感があるからビールがすごくおいしい。愚痴飲みになるのでなく、「やったぞ。お疲れ、自分!」という気分で飲めます。
・早起きして自分と向かい合う
早く起きること自体は目的ではありません。「早起きの自分はイケてる」のではなく、早起きして、朝活することに意味がある。実は、私が伝えたいのは早起きの習慣ではなく、早起きして「自分と向かい合う」ことです。自分のダメなところを直視できない人は仕事もうまくいかない。ダメなところを直視して改善しないと、人生はよくならない。ただ、夜に自分のダメなところを考えると落ち込みます。ですから、向かい合うのは朝にする。そうして、自分を見つめ、仕事の段取りをつける。そうすれば仕事もうまくいきます。
あと、早起きでいいことは便秘が治ります。すごい便秘症だったけれど、早起きしたら、1日に2回も3回も……。それから、気持ちいいのが朝ジム体験。スパのマットも誰も使っていないから、ぴちゃぴちゃ濡れていないし、清潔な環境に自分の身を置くことはとっても気持ちがいい。また、早朝グルメの会をやっているのですけれど、朝7時に高級ホテルに集まっておいしい料理を食べる。料理もいいけれど、朝のホテルって髪の毛ひとつ落ちていなくてすごく気持ちがいい。いちばんきれいなところに足を踏み入れただけで「勝った感」がある。そういう楽しさも早起きの特典です。