赤字の原因は家計費にまぎれた「妻の支出」最大月10万円
いくら「申告すれば無条件でお金がもらえた」といっても、夫婦ふたり暮らしで、支出がひと月で70万円を超えるのですから、何かに使い過ぎているはずです。喜多家の家計の状況を知り、改善点を探るべく、家計簿を見せていただきました。
夫婦2人の家計で、食費10.2万円、生活日用品2.8万円、教育費4.5万円、交際費7.5万円……。一般的な夫婦ふたり暮らし世帯に比べ、明らかに高額です。ただ、小遣いを見ると昭典さんが10万円なのに対し、有紀さんは1万円でした。ですから、有紀さんは堅実なお金の使い方をする方なのだろうという印象を持ったのですが、費目ごとに内訳を詳しく聞いていくと、実はこれらの家計支出のなかに、有紀さんが「自分のために使っているお金」が、かなり含まれていたのです。
有紀さんは「好奇心旺盛で、なんでもやってみたい性格」なのだそうです。「いろんな人や出来事から刺激を受けて、それを発信して自分を高めたい」と10年前に始めたブログは、常に人気ランキングの上位をキープし続けています。
そのネタ作りのために、蔵元での利き酒会やパワースポット巡りへ参加したり(交際費に計上)、最新メソッドを取り入れたフィットネスジムに複数加入したり(教育費に計上)、話題の家電や雑貨を購入して試してみたり(生活日用品として計上)、流行のファッションアイテムをいち早く手に入れたり(被服費として計上)していたのです。
こうした家計費のなかに隠されていた、「有紀さん費」をピックアップして集計したところ、ひと月で平均約7万円、多い月には10万円を超えていました。
「これまでは家計費の一部として見ていたので、自分のためにこんなに使っていたとは、びっくりです。お金の心配をしたことがなかったので、節約という意識がないんです。これからどうしたらいいでしょうか?」
妻関係の支出を見直し、家計費とは明確な線引きを
喜多家の家計の問題は、「妻関係の支出と家計費がゴチャゴチャになっている」ことと、ムダな支出が多い「メタボ家計」になっていることでした。
そこでまずは、妻関係の支出の中から、フィットネスジムや利き酒会などへの参加、試用のための家電購入などを見直してもらい、「さほど必要でないものへの支出」をやめることにしました。今後「妻関係の支出」は5万円という予算を決め、家計費からではなく、「妻小遣い」から出すことにしました。