メニューの70%が一品250円の「仰天酒場 和っしょい2」の1号店が8月、東京・JR五反田駅前にオープンした。ついにワタミ(桑原豊社長)も、低価格均一居酒屋市場に参戦か。そのお披露目にはテレビや新聞などのマスコミ各社が殺到。約70席を埋め尽くした。
公表されていた営業開始予定から2カ月遅れていたが、それには構わず、桑原社長は強気だった。
「よく誤解を受けるが、低価格居酒屋なんて、もともと意識してない」
高級居酒屋の「東方見聞録」や「月の雫」が、「金の蔵ジュニア」同様の低価格均一路線への業態転換を強力に推し進めた昨年、その影響を大きく受けたひとつに同社もあった。国内約630店ある「和民」や「わたみん家」の約50店舗で売り上げが約15%ダウンした。
「当初は影響を受けました。しかし面白いことに3カ月たつと、この50店にお客様が戻ったんです。それと同時に均一居酒屋のサービスに満足できないお客様が新しく来店されるようになった」
三光MFの展開する均一居酒屋に激しい対抗意識を見せる桑原社長。では、なぜ「仰天酒場」を投入するのか。
「日本の外食マーケットは、将来的に縮小しながら、アメリカのように必ず二極分化する。テーブルサービスを受けて、おいしいものを食べてゆっくりしたいときの『カジュアルプラス』と、時間をかけずに安く満腹になりたいときの『ファストフード』の2つだ。ワタミには、この『ファストフード』的な使い方のできる店がなかった」