なぜ副業で「無税」になったのか

私の収入は、給与と副業の2本立てです。2つの所得(給与所得と副業の事業所得)がある場合は、次のような流れで所得税を算出します。

1.2つの所得を合算します。その際、赤字と黒字の所得は相殺できます。
2.合算した所得から各種所得控除を引き、課税所得を出します。
3.課税所得に対応する税率をかけて所得税を出します。
4.課税所得がマイナスになれば、所得税はゼロです。
5.すでに納付した所得税があれば、確定申告をすると還付されます。

給与所得は常に黒字ですが、副業の所得は売り上げや、必要経費がかさむと赤字になります。私のイラスト制作・販売は売り上げが少ないため、必要経費を引くと赤字です。

確定申告の際に、黒字の給与所得と赤字の事業所得を相殺(損益通算という)し、その金額から所得控除(扶養控除、基礎控除など)を引くと、課税所得がゼロ以下になります(確定申告書にはゼロと記入)。課税所得がゼロ以下になれば、所得税は当然ゼロです。このゼロ円が赤字の副業を持つ私の「正確な税額」です。

私はすでに給与から所得税を納付しており、その分が納め過ぎになるので、確定申告をして取り戻すわけです。この還付金が「ブーメラン税金」で、副業を持たない給与所得だけの人には、決して起こらない現象です。このように「副業で税金をゼロ」にできるのは、副業が赤字経営の場合のみです。

必要経費のほうが多いから赤字になる

確定申告とは、個人事業主が国に自身の税金を申告・納税する作業です。副業を持つサラリーマンも個人事業主ですから、副業が黒字の場合は確定申告によって税額を算出し納税する義務があります。

私のように赤字の場合は、納税額がないので確定申告の義務はありません。ただ、源泉徴収で所得税を納めている場合は、申告するとその分の所得税が還付されます。

副業の必要経費としては、家賃、光熱費、通信費、車のガソリン代と維持費などを計上しました。これらの経費を家庭用と仕事用に6対4に按分し、4割を仕事用とし、画材費全額を足すと副業の必要経費全額がでます。売り上げから必要経費を引くと、事業所得(イラスト制作・販売)がでますが、必要経費の方が多いため、事業所得は赤字になります。