Q5 家族に感染者が出てしまったら?

風邪をひいてしまった人には申し訳ないが、「完全隔離」が二次感染を防ぐうえで重要だと裴氏。

「部屋の出入り、会話、物の受け渡し程度でも、ウイルスは十分感染します。感染者を触れたタオルやコップ、食事に使ったお皿や箸などはすぐに洗うか使い捨てにしましょう。お風呂は、感染者を一番最後にしてください」

鼻をかんだティッシュや使用済みのマスクなどは、風邪ウイルスのかたまりといってもいい。

「ビニール袋に入れて袋の口を縛り、フタ付きのゴミ箱に入れて処分しましょう」(裴氏)

早く風邪から回復することも、受験生とウイルスの接触時間を減らすという意味で、感染予防につながる。

「風邪だけど休めないと動き回ったり、あとこの一仕事だけやってから休もうなどと考えているだけで、体は回復作業に全力を使えません。風邪かなと思ったら、“まだつらくないから休まない”ではなく、“今は全力をかけて、寝て休むことに集中する”と気持ちを切り替えてください。子供が風邪をひいてしまったときは“今は勉強のことは忘れようね”と気持ちを切り替える一言をかけて、心もゆっくり休ませましょう」(裴氏)

Q6 今からできる、風邪をひきにくい体質のつくり方は?

「古くから薬食同源や食薬という言葉がある通り、適切な食事を摂ることが体質改善につながります。先に挙げた“陰虚”“陽虚”“気滞”は、ひきやすい風邪のタイプや体の性質も表しています。普段から、自分のタイプに合った食材を取ることが、体質の改善につながります」(関氏)

『プレジデントFamily2019冬号』より(井田やす代=イラストレーション)

また、東洋医学のアプローチでは、体のさまざまなツボを刺激することも風邪予防に役立つ。

「一人でも押しやすいツボとしては、“陽虚”タイプの場合、内くるぶしとアキレス腱の間にある“太渓”を押すと、体が温まります。“陰虚”タイプの場合、手首の親指の付け根で、脈を測れるところにある“太淵”を押すと、水分不足からくる喉の痛みやせきが治まります。休憩時などに自分で刺激するとよいでしょう。力を入れすぎず、軽く押す程度で十分です」(関氏)

ストレスで引き起こされる“気滞”については、親のメンタルコントロールが重要だと関氏。

「母親の精神状態は子供にも伝染しやすい。受験生家庭でストレスを抱え込むなというほうが難しいかもしれませんが、ストレスを直接子供にぶつけることだけは避けましょう」(関氏)

裴 英洙(はい・えいしゅ)
医師・医学博士・MBA
ハイズ株式会社代表取締役社長。ビジネススクール在学中に医療機関再生コンサルティング会社を設立。多数の医療機関への経営支援、ヘルスケア企業への医学アドバイザー業務を行っている。
関 隆志(せき・たかし)
医師
東洋食薬ライセンス委員会委員長。日本東洋医学会 代議員。東北大学サイクロトロン・ラジオアイソトープセンターサイクロトロン核医学研究部研究教授。WHOの会議に出席し伝統医学のアドバイザーを務める。
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