自分では穏やかに振る舞っているつもりでも、周りには「イライラしている人」だと思われているかも。心理テストで、チェックしてみよう。

閾値を知って、表に出さない訓練を

自分ではイライラしていないと思っても、知らず知らずのうちに表に出てしまい口論になったり、反対に、我慢しすぎてストレスを感じていたり、ということはよくあること。自分の心の状態を把握するのは、案外難しいことです。私のクリニックに相談に来る方でも、「今、自分がイライラしている」ということが自覚できないケースがよくあります。

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怒りっぽいか、我慢強いかというのは、我慢の「閾値」によって決まります。イライラしても、我慢の閾値が高ければ高い人ほど、それを表に出さずに済むことが多いというわけです。この閾値は、人によって差があります。それを判定するテストです。チェックリストは、今のあなたの状態を診断するので、受けるときによって回答が変わることもあるでしょう。

診断結果のなかで、「阿修羅タイプ」や「鬼タイプ」の人は、イライラを表に出して周りに迷惑をかける典型的なタイプ。イライラを表に出されると相手は萎縮してしまい、話しかけることすらできなくなってしまいますから、職場でも、プライベートでも、あらゆる場面で損することになります。ですから、この2つのタイプは多少嫌なことがあっても、表に出さない訓練が必要です。

では、どういった訓練ができるのでしょうか。イライラするという感情を消そうとするのではなく、怒りを冷静に捉える努力をしてみましょう。コツは、「ここで腹を立てたらどんなことが起こるか」を想像してシミュレーションすること。たとえば、部下に対してイライラしたとき、ここでガツンといえばスッキリするかもしれないけど、部下はこれから自分をずっと恐れるのではないか。そうすると、チーム全体の雰囲気も悪くなってしまうのではないか……。といった具合です。そのときカッとなっている感情が抑えられますし、続けていれば、イライラを客観的に受け止めることができるようになります。

とはいえ、我慢のしすぎはストレスが溜まってしまうこともあります。そんなときには、信用できる人に話を聞いてもらったり、クリニックでストレスチェックを受けたりといった対応も必要になってくるでしょうね。

いずれにしても、自分の閾値はどのくらいなのか知るのは、大事なことです。冒頭にお話ししたように、自分のことは自分ではわからないもの。なぜか自分の周りには人が寄り付かない、なんてことがないよう、ぜひトライしてみてください。