各誌は「婚約破棄」が決まったかのような書き方

それが証拠に、解禁の前日に発売された両誌は、こうタイトルを付けた。「千代田のお城から『さようなら小室圭さん』」(新潮)、「小室圭さんから辞退を 秋篠宮さまの真意」(文春)と、婚約破棄が決まったかのような書き方である。

11月30日に放送された各局ワイドショーも、いつものように小室さんの母親の元婚約者(名前も顔出しもなし)による一方的な発言を取り上げ、小室家側の非をあげつらう論調に終始した。

秋篠宮さんの会見での発言を精査する前に、ここ1カ月半近くのブリザードと表現してもいい「小室圭バッシング」を振り返ってみよう。

8月初旬に小室圭さんがNYへ行って以来、母親は行方不明だが、週刊文春(10/4号)の「小室圭さん衝撃の外務省公電 消えた母親は『探す必要なし』」によれば、外務省が異例とも思える公電を、在NY日本国総領事館へ送ったというのだ。

文面は、「貴館においては、特に積極的に米国関係当局に接触して、小室佳代さんの所在を把握する必要はない、と本省としては思量している」。わざわざ、外務省が公電を使ってNYの領事館に「母親を探すな」などというだろうか。

「この疑惑が万が一事実なら」で書き連ねた文春

女性セブン(10/11号)は「小室圭さん(26)超VIP留学 中断帰国 眞子さま震える」で、圭さんは留学ビザを取得していなかったと報じた。財政能力証明書に必要な金額が提示できなかったからではないかというのである。

この情報を鵜呑みにした文春が、「小室圭さんアメリカ『不法滞在』疑惑」(10/18号)と後追いした。

文春は「仮に、この(セブンの)報道が事実だとすれば」、圭さんは不法滞在になり、アメリカの移民法に抵触してしまうと、さらに話を広げる。確たる証拠もなしに、「この疑惑が万が一事実なら」、眞子さんとの結婚にさらなる暗雲が立ち込めかねないと話を展開させていくのだ。

だが、圭さんの留学をサポートしている奥野総合法律事務所を通じて、圭さん本人に質問を投げると、圭さんから「まったくの事実無根。ビザはちゃんととっている」という返事が来て、疑惑は雲散霧消する。事実、もしそうなら10月ぐらいに一時帰国しなければならないが、そうした動きはまったくなかった。

だが懲りない週刊誌の面々は、NYのレストランで開かれた息抜きの飲み会までも、「小室さん迫る11月危機、5人の美女とのNY飲み会動画」(「週刊文春」10/25号)と、怪しげなものにしてしまうのだ。