例えば、かたづけられたデスクは視覚情報が整理されているため、どこに何があるのかが瞬時にわかり、必要なものをすぐに取り出せます。これはモノを探す時間の削減につながり、その分仕事に集中でき、仕事の効率が上がるというメリットが得られます。

モノを探す時間で年間1000万円以上の損失

また、モノを探している時間を時給に換算するのもおすすめ。社員25人のある会社で、「1日にモノを探す時間はどのくらいか」とアンケートをとったところ、1人あたり1日平均26分かかっていました。時給4000円で換算した場合、全体で年間1140万円を無駄にしていることに(※時給は給与以外に保険なども含んだ金額。就労日数は264日/年として計算)。金額で見ると、「無駄にしている感」が強く感じられますよね。これが、かたづけに対して当事者意識を持つきっかけになったという人が少なくなかったのです。

この会社ではそのあとも「かたづけ」を続け、1年後、モノを探す時間が12分削減されて1日平均14分になりました。時給換算すると、年間530万円が浮いたことになります。

ちなみに、1回の探しモノにつき、よい探す時間の基準は30秒以内、お客さまをお待たせしている場合には、15秒以内を目指します。

かたづけは、新しい時間を生み出す投資

仕事が効率よくかたづけば残業が減り、浮いた時間をプライベートにあてることができます。「早く家に帰って家族と過ごしたい」という人もいれば、「資格をとるために勉強したい」「習い事を始めたい」と、スキルアップや趣味のために使う人もいるでしょう。

小松易『「かたづけ思考」こそ最強の問題解決』(PHP研究所)

また、「もっと働いて、今の職場でどんどん上を目指したい」という人もいます。かたづけコンサルティングを依頼してきたある会社の総務部長は、社長から「将来上場することを視野に入れ、そのための案を考えてほしい」というミッションを与えられていました。

しかし日々、重要かつ緊急な社内の仕事の対応に追われ、1年たった今も、ほとんど何の案も考えられていないといいます。このケースでも、かたづけによって仕事の効率化に成功し、自由に使える時間が増えれば、ミッション遂行のための時間にあてられます。

これらは「かたづけは、新しい時間を生み出す投資」など、かたづけフレーズで伝えられます。そのうえで、リーダーであるあなたが率先してかたづけ、部下の行動を促しましょう。

小松易(こまつ・やすし)
かたづけ士。フジタを退社後の2005年9月、“かたづけ”を通して人生を変えるコンサルティング「スッキリ・ラボ」を開業。現在は経営者・企業向けに“かたづけ”のコンサルティング、セミナー活動を行う。シリーズ累計47万部『たった1分で人生が変わる片づけの習慣』(KADOKAWA/中経出版)、『「すぐやる人」になる1分片づけ術』(日本経済新聞出版社)ほか著書多数。
(写真=iStock.com)
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