学費は初年度148万円、それだけの価値はあるのか

ここまで学校発表の「売り」を中心に紹介したが、「実態」は開けてみないとわからない。

前出のドルトンプランはコーチャー(教師)の質に左右される部分が大きい。国内にはこれまで中高のドルトンスクールがなかったため、今回採用される同校のほぼすべての教員はドルトンプラン未経験者ということになる。どんな教師がどんな授業をできるのかは未知数だ。また、10月末現在、校長も発表されていない。受験生が志望校を絞り込むこの時期に、ついていくべきリーダーが不明瞭なのは困る。

学費は初年度148万円(入学金40万円)、中2、中3時は108万円。近隣の私立校と比べてかなり高額だ。例えば、神奈川県内で学費が高い私立として知られる慶應湘南藤沢(115.5万円)に迫り、法政第二(102.1万円)、公文国際(91.5万円)を上回る。

しかし、学校が発表した内容を実践できるとすれば、コストパフォーマンスは悪くない。少人数制学習で、世界的にも定評のあるドルトンプランの教育を受けられるのは、日本でもここだけだからだ。

「生徒全員がMARCH以上に入れるようなレベルを担保したい」

ドルトン東京学園の図書館、職員室、体育館(撮影=中本順也)

同校は、難関大学合格のための学校ではなく、あくまで探究・体験を重視した学習者中心の挑戦をサポートする学校を標榜している。しかしその一方で、説明会では「生徒全員がMARCH以上に入れるようなレベルを担保したい」と話し、「学校としては実績をまだ出していない状況ではありますが、各教員はこれまでの学校で十分な進学指導を経験してきています。個人として力のある教員が集結しているので心配はありません」と付け加えている。

保護者の多くは「あの河合塾の看板を背負った学校がそうそう簡単に失敗することはできないだろう」と考えるはずだ。確かに、「河合塾」というブランドは一定の担保にはなるだろう。ただ、「徹底した大学受験指導の確約」という文脈で受け止めるべきではないだろう。

通常、「新設校」の評価は定まりにくい。「見えない」部分もある。よって開校1年目は様子見をする親子は少なくない。だが同校の場合は、初年度受験が最も入学しやすい「お買い得の年」となる可能性が高そうだ。理念や学習内容に共感できるなら、「賭ける価値」はあるはずだ。

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