データで見た川崎市はトップクラスの「低犯罪都市」

ところが、各地の警察が公表しているデータに基づく2017年の人口1万人当たりの刑法犯認知件数で比べるとどうでしょうか。図表1をご覧いただくと、少ないほう(安全なまちであるほう)から、まず川崎市、続いて足立区、その次に浦安市、一番悪いのが武蔵野市、という結果になります。武蔵野市に至っては、川崎市の2倍以上悪い数値になっているのです。

もっとも、川崎市は人口150万人を超える政令指定都市であり一般市より広いので、行政区ごとの数字を見てみないと正確な比較はできません。そこで7区別の内訳を見てみると、確かに川崎駅を中心とする繁華街(ギャンブル施設や性風俗街を含む)を抱える川崎区だけは数値が多めですが、それでも武蔵野市よりは少ないですし、他の6区はすべて、イメージ良好の2市よりもかなり少ないです。

つまり、川崎市はガラが悪い、物騒だ、というイメージは、あくまでイメージであって、数字で証明されてはいないのです(むしろ川崎市は、大阪市や福岡市など、全国の20政令指定都市の中でも毎年トップをうかがう低犯罪都市であり、数字の上では明らかに安全なまちの部類に入ります)。