▼住まい

《整頓好き × 片付け下手》

「元気に長生きしている人の部屋が散らかっているのは見たことがない」とお茶の水健康長寿クリニック院長の白澤先生は言う。

「長生きの人は毎日、規則正しく同じことを繰り返している人がほとんどです。毎日同じ時間に起き、布団を畳んで押し入れにしまい、毎朝同じように味噌汁を作り、部屋を掃除し、お茶の時間に緑茶を飲む」

やることが決まっているから、ゴミ屋敷になることもない。体もそれに合わせて動かすので運動にもなる。

「不確定なこと、予測できないことはストレスです。毎日同じことをきちんとして、気持ちよく過ごす生活習慣があればボケにくい」

寝たきりやボケになるきっかけは、単調な毎日に退屈し、生活に飽きてしまうことにある、と白澤先生。

「ボケを起こさない一番の薬は今を幸せに感じる気持ちです」

《犬を飼う × 猫を飼う》

「ペットを飼うほうが長生きするという事例はたくさん見ています。愛情を注ぐ対象がいることは幸福感をもたらし、退屈感や孤独感を解消できるので、認知症の予防にも期待できます」(白澤先生)

PIXTA=写真

特に効果が顕著なのは犬を飼うことだと白澤先生は続ける。

「犬は散歩をさせなくてはいけないので、自然とウオーキングという運動をする機会が増えます。同時に、屋外で紫外線を浴びることにもなるので、これがよい結果を招いていると推測されます」

紫外線は骨を強くするビタミンD生成に欠かせない。

「それだけでなく、ビタミンDの欠乏は、認知症をもたらすアルツハイマー病や脳血管性認知症との関連性も認められているのです」

しっかり太陽の光を浴びて、食事でも魚やキクラゲなどでビタミンDを摂取することが、認知症の予防には大切なのだ。