物流大手との協業にさらなるスピード感を持つべき
そうした取り組みを進めることは、セブン&アイが新しい流通革命を目指すことといえる。それはわが国だけでなく、高齢化が進む中国など海外の市場でもセブン&アイのコンビニ事業の競争力を高めるだろう。
同社は収益源の多様化のためにさまざまな企業との提携を進めているが、その中でも物流大手との協業はさらなるスピード感を持って強化されるべきだ。第1四半期の決算説明会の資料にこの点に関する言及がなされていないのは、やや残念だ。
現在のセブン&アイの業績は、鈴木前会長が整備した事業基盤に、井阪現社長の米国事業の強化策などが加わり上向いている。同社がさらなる成長を目指すには、かつてのコンビニ事業のように新しい取り組みを進めることが必要だ。IoTを用いた省人化の取り組みを進めることは、同社の構造改革を加速化させ、より強固な成長基盤の整備につながるだろう。
真壁昭夫(まかべ・あきお)
法政大学大学院 教授
1953年、神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリル・リンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員、信州大学経済学部教授などを経て、2017年4月から現職。
法政大学大学院 教授
1953年、神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリル・リンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員、信州大学経済学部教授などを経て、2017年4月から現職。
(写真=時事通信フォト)