「インドに店がなくて、世界最大チェーンと言えるのか!」

さて日本国内では競合がいないほど市場を席巻する壱番屋があえてインドにこだわる理由は何なのだろうか。「現社長の浜島が、カレーの本場で勝負したいということを夢として掲げていたからです。13年に世界最大のカレーチェーンとしてギネス認定を受けた後も、『インドに店がなくて、世界最大と言えるのか!』と意気込んだそうです」(同)。

浜島社長「インドに店がなくて、世界最大と言えるのか」。(時事通信フォト=写真)

確かにカレーは明治時代に、当時イギリスの植民地だったインドからイギリスを経由して普及した歴史がある。日本からイギリス経由でインドと、逆ルートで進出するのは壮大な構想だ。「おいしい料理を教えてくれたことへの日本人としての恩返しもありますが、やはり13億人が毎日3食カレーを食べるわけですから、世界最大のマーケット。ビジネス的にもものすごくチャンスだと思っています」(同)。

海外でも日本基準を通してきた同社だが、果たしてインドでも通用するのだろうか。「例えば、タイは日本でも有名なタイカレーの本場。でも、店舗数を増やしています。インドネシアにも独自のカレー料理がありますが、こちらも共存できています。やはり、同じカレーとはいっても『別モノ』としてポジションが取れているので、インドでも同じように通用するという自信はあります」(同)。

インド進出への一歩となるロンドン1号店の準備は着々と進んでいる。市内中心地のトラファルガー広場近くに路面店として、営業許可が取れ次第、18年末にオープンする予定だ。

ロンドン店では「カレー自体は国内と変わらないものを提供しますが、現地はお酒を食事中に飲む習慣がありますのでそこを合わせるつもりです。ビールのラインアップを揃えたりするほか、フライドチキンとフライドポテトなどおつまみのメニューを充実させる予定です」(同)。

ロンドンはヨーロッパ全体の拠点として今後はドイツなどにも進出を考えているという。「ロンドンは直営ですが、インドは現地事情に詳しいパートナーとフランチャイズ契約を結びたいと考えています。インド進出は出会いがあり次第、本格的に進めたいです」(同)。

カレー伝来の逆ルート進出という夢の実現に向けて動き始めた壱番屋。名実ともに世界で最も日本のカレーライスを広めるカレーチェーンとしての飛躍を狙っていくつもりだ。

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