私の部下には、事実や合理的思考より、むしろ直感に頼る傾向が見られ、私は彼らの決定を会社の幹部にどのように説明すればよいか悩んでいます。
キケ・トリ・ウィカクソノ(インドネシア、ジャカルタ)
あなたには実は2つの選択肢があります。「チャーリーは経験から得た直感によって、このすばらしい決定を下しました」と上司に報告するか、もしくは、チャーリーの直感がせいぜいよくて五分五分だとしたら、彼にそのような決定の仕方をやめるよう要求するかです。
しかし、一般的に言って直感はちっとも恥ずべきものではありません。その正反対です。直感というのは実はただのパターン認識です。これまでの人生で、あるいは職業生活で何度も同じことを経験しているので、今回どうなるかも見通すことができるわけです。
直感とは換言すれば、おそらくは無意識に近いレベルで察することです。つまり、「いますぐやれ」から「絶対にやるな」までの何かしらの示唆を与えてくれるような悟りなのです。もっとも、1番よくある直感は、その2つの中間にくる「どこか腑に落ちない」という感覚です。そう感じたら、その正体を突き止めなくてはなりません。
直感で大切なのは、どんな場合にそれを信頼すべきかを見きわめることです。時間を経るなかで、自分の直感がおおむね正しいことに気づいている場合は、その見きわめは簡単ですが、そのような自信を得るには何年もの試行錯誤が必要です。
そこに到達するまでは、1つの経験則に従うことをお勧めします。「直感は投資案件を検討する際には通常かなり助けになるが、人を選ぶ際にはさほど助けにならない」という経験則です。