「今日も朝起きられた」といった小さなことでOK

勇気は、一気に出るようになるものではなく、段階を経て少しずつ出るようになるものだ。そのステップは、「悩む」→「考える」→「決定」→「行動実験」→「再考」の5段階ある。

第一歩は、「悩む」状態を脱することだ。しかし、1度失敗すると不安や恐怖に囚われてしまい、続く「考える」ステップに進むのが難しくなる。

まずは簡単なワークから始め、自己肯定感を育てよう。「今日も朝起きられた」といった小さなことでよい。毎日自分の頑張りを認め、カレンダーに丸をつけていく。丸が増えるのを見ると、達成感を得られる。

これを進めて、毎日、一日を振り返り「よかったこと」を記録するのもよい。どうしても見つからない場合は「よかったことが見つからなかったことに、気がつけてよかった」で十分だ。いいところを過小評価し、ネガティブなところばかりに目を向けてしまうのは、考え方の「クセ」。毎日の「よかった探し」で、そのクセを変えられる。

毎日、意識的に鏡を見るのも自分を意識し自己効力感を高めるのに効果がある。

自分に手紙を書いてそれに答えるロールレタリング法

次は「考える」ステップだ。そもそも「考える」のが苦手な人には、ロールレタリング法と呼ばれる心理療法がよい。自分に手紙を書いてそれに答えるという手法だ。

まずは悩みを、自分宛ての手紙として文章化する。それに対して「あなたは、本当はこうしたいのではないか?」と、別の自分になり切ってアドバイスする。相談とアドバイスの二役を行うことで、自分が抱える思考の問題点が見えてくるはずだ。

「自分がどうしたいか」という自分思考で考えるのに役立つのは「ミラクルクエスチョン」という手法だ。「もしお金や能力が思い通りになるとして、やりたいことはなんでもできるなら、どうなりたいか?」という質問を、自分にしてみよう。そしてその答えを実現するために何をすればいいかと考える。目標が具体化し、実現に必要な行動に落とし込みやすくなる。