7月上旬に起きた西日本豪雨災害。愛媛県や広島県では、決壊を防ぐためのダムの緊急放流によって下流域の住民に大きな被害が出たが、放流決定のプロセスや伝達方法に関して強い非難の声が上がっている。問題はどこに? プレジデント社の公式メールマガジン「橋下徹の『問題解決の授業』」(8月28日配信)より、抜粋記事をお届けします――。

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最悪を避けるための究極の判断「緊急放流」

※写真はイメージです(写真=iStock.com/nkurtzman)

今回の大豪雨においては、多くのダムが水量調整をしたようだ。豪雨によってダムの水位が上がることを予想して、事前にダムの水を抜いておく。豪雨によって水位が上がってくるにしたがって、ダムからの放流量を調整していく。放流しなければ、ダムは満水になるし、放流し過ぎるとダム下流の河川が氾濫してしまう。まさに調整の「技術」が必要なところだ。