そのほかにも、介護スタッフの人員やサービス内容について記載されている重要事項説明を開示しているなど、情報開示体制ができていること。そしてどの事業者にも現場の要となる施設長や管理者がいるので、彼らと面談で話して信頼に足る人間かを判断することも役に立つ。

介護付き有料老人ホームに入所するタイミングは、いつがいいのか。

「介護が必要になる前に入居する考えもあるようですが、自立高齢者の高齢者住宅と、要介護者の高齢者住宅は基本的に違う商品。小学校と大学のように、設備設計もサービスの中身も異なります。介護が必要になってから、介護システムの整ったところに入るというのが基本」(同)

1度入れば、住み替えは難しい。ラクな余生を送るためにも、事業者の比較や情報収集を徹底しよう。

▼いい高齢者住宅と出合うためのポイント
【時間と心に余裕を持って探す】
・不安と焦りからあわてて決めると、後悔するケースが多い
・ショートステイなどを活用しながら、余裕を持って検討する
【できるだけ多くの高齢者住宅を比較する】
・たくさん見るほどサービスや価格の違いについて理解できる
・「一目で気に入った」とその場で入居を決めない
【疑問があったら納得するまで確認】
・何度も見学し疑問点や不安があったら必ず質問する
・詳しい説明をせず、「お任せください」で乗り切ろうとする業者は要注意
【なるべく家族の住居の近くを選ぶ】
・望ましいのは、仕事や買い物の帰りに立ち寄れる距離
・頻繁に顔を合わせることで「家族の役割は変わらない」と考える
濱田孝一(はまだ・こういち)
1967年生まれ。立命館大学卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。介護職員、社会福祉法人マネジャーを経て、介護ビジネス、高齢者住宅を中心に各種コンサルティング、講演を行っている。『「老人ホーム大倒産時代」の備え方』『介護の仕事には未来がないと考えている人へ』など著書多数。
(写真=iStock.com)
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