西日本を中心とする記録的な大雨は、各地で大きな被害を出した。生活を立て直すにはお金が必要だが、通帳や保険証券を流された場合、どうすればいいのか。公的な支援を受けるには、どんな手続きが必要なのか。ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢氏が災害時にすべき「お金のチェック項目」を10個にまとめた――。
自然災害で通帳や保険証券を紛失しても落ち着いて。預金は下ろせるし保険金の支払いも受けられる――。岡山県倉敷市で、堤防の決壊などにより大きな浸水被害を受けた地区(写真=時事通信フォト)

西日本を中心に広い範囲で記録的な大雨となり、各地で大きな被害がありました。被災された皆さまに、心よりお見舞いを申し上げます。少しでも被災地の皆さまのお役に立てるよう、災害発生時のお金や預金、保険などの初期対応や各種手続きについて、10項目にまとめました。

最初に申し上げておきたいのは、自宅が被災して通帳や健康保険証、保険証券がなくなっても、たいていは「なんとかなる」ということです。自宅周辺の安全が確認できない状況で、通帳などを取りに帰宅することは避けてください。

1.現金について

泥などで汚れた紙幣は、それ以上破れないようにそっと水で洗って極力乾かし、銀行に持っていきましょう。破損している場合、紙幣の面積が3分の2以上残っていれば額面の全額分、5分の2以上3分の2未満残っていれば半額分の新しい紙幣と交換してもらえます。

2.預金の引き出しについて

大規模な自然災害の被災地においては、通帳や印鑑、クレジットカードを災害でなくしてしまった場合、金融機関が預金の引き出しについて柔軟に対応してくれます。

例えばゆうちょ銀行は7月9日、今回の豪雨被害で災害救助法が適用された広島県、岡山県、愛媛県、京都府など8府県の市町村で、8月8日までの1カ月間、通帳や届出印を紛失しても1人20万円まで預金の引き出しを可能にするという「非常取扱い」の実施を発表。中国銀行、広島銀行、愛媛銀行、十六銀行などの被災地の各地方銀行、および大手都市銀行も、当分の間本人確認のうえで預金の払い出しについて便宜を図ると表明しています。通帳やキャッシュカードなどの再発行手続きについても、ぜひ窓口で相談してください。