現在、正社員24人のうち、本社勤務は18人、全国8カ所にあるサテライトオフィスに勤務するのが6人。サテライトオフィスは東京都の台東区、徳島県の徳島市と神山町、高知県の高知市、北海道の別海町、岡山県の津山市、山口県の萩市などにある。

ギャラリーの運営に関わるダンクソフトの企画・マーケティングの社員。

職種ごとの採用で現在、最も多いのはデザイナー、エンジニアで19人。本社に13人、それぞれのサテライトオフィスに1~3人いる。ほとんどが即戦力として中途採用試験を経て入社した。

現在、会社として副業を認めているのは、2人の正社員。1人は、徳島県神山町のサテライトオフィスでエンジニアとして働く男性だ。もう1人は、本社に勤務する企画・マーケティングの男性である。

神山町のサテライトオフィスで働く男性の副業は、研究開発及び製品開発。最近では、小学生のプログラム学習の支援やある団体が製造するアプリケーションの開発支援だ。ダンクソフトと1カ月の総労働時間を120時間とする労働契約を交わし、それ以外の時間は副業にしている。

本社で企画・マーケティングとして勤務する男性の副業は、都内・東上野にあるギャラリーの企画・運営に関わるものだ。週4日フルタイムでダンクソフトに勤務し、週1~2日、ギャラリーで働く。

副業を認める条件は「ボランティア」

同社が、副業を認めるようにしたのが2013年だった。ライフセービングを趣味とする男性社員がボランティアをすることになった。代価としての報酬をある団体から得ることを会社に報告した。それを機に会社として就業規則を改訂し、一定の条件のもと、認めるようにした。

その場合の「条件」とは、例えば、地域や社会のために役立つボランティアの意味合いがあるものだ。会社に申請した後、星野氏と30分~1時間の面談をする。話し合いのうえで星野氏が認めるか否かを決める。現在までは、次のようなものは原則として認めていない。「同業他社のプロジェクトや業務」「ダンクソフトの業務や日々の仕事に支障が出ると思われるもの」「地域や社会のために役立つボランティアではないもの」……。

星野氏が、特に確認をするのは「地域や社会のために役立つボランティア」であるかだ。

「金銭を得たいだけならば、原則として認めることはしていない。当社として一定の賃金を支給しているのだから、さらに視野を広げて、社会に役立つことに取り組んでほしい。例えば、地方では消防団の団員が不足し、消火・防災活動に支障が出ている。こういうところに住む人が消防団に入るということで申請をするならば積極的に認めていきたい」

星野氏は、こう強調する。「少子高齢化が進む中、企業が社員の副業を一定の範囲で認めるようにしていかないと、社会が成立しなくなる」。2人の副業は地域社会などに貢献できると判断し、許可した。なお、ダンクソフトと同業他社の業務などを請け負うことを希望する場合は、退職した後、個人事業主となり、「パートナー契約」を交わすことになる。現在のパートナーは3人いるが、ダンクソフトの社員になったことはなく、もともと、個人事業主だった。