【岩瀬】インパクトフルだったのは、塩が味付けをするのではなく、塩が味を引き出すとう感性です。スイカに塩をかけることでスイカの良さを引き出すイメージというか。料理の本質としてもすごく勉強になったのと、人の才能もそうなのかもしれない、人の良さとか能力とかは引き出すもので、足すものではないな、ということを思ったりもしました。

【松嶋】まとめてくれてありがとう(笑)。

孤食の時代にやらなければならないこと

【松嶋】最近は色々なところで健康経営なんて言われてる。企業が働き方改革って言葉を使い始めたらなおさら社食とかに意識が向いている。

ライフネット生命の岩瀬大輔社長

【岩瀬】健康というキーワードは、保険業界でもトレンドですね。ただ、意外に難しいのが、一般のお客様と保険会社の関係が希薄なことです。一旦保険に入ったら年1回の控除証明書を送る以外は、それほどコンタクトする機会は多くないんです。

もともとお客様と身近な接点が多いビジネスではないので、保険会社がお客様に健康を促したいと思っても、向こうからすれば「誰?」という感じになる。保険会社がお客様の健康にどこまで関われるのかは、わりとチャレンジですね。

【松嶋】社食はどうしたらいいかとかたくさんの会社に相談されるけど、働き方改革って言葉が出てきて、食べる時間の作り方も大事だと思うんです。食べてる時にアイディアって出てくるし、食べながらビジネスの話をすることも多いんだけど、現状は“孤食”ですよね。

【岩瀬】デスクでお弁当みたいな。

【松嶋】そう。僕から見ると寂しいんだけど、彼らの言い分も「普段一緒に仕事しているからご飯を食べる時くらい一人がいい」って言うんですよね。それも分かるんだけど、人が集まった時に生まれるアイディアってランダムで決まっていなくて、集まる時に素晴らしい効果がある。

【岩瀬】そうだね。

【松嶋】日本の色々な省庁に行って省庁の社食のご飯を食べるんだけど、農林水産省でもひどいわけです。なんとかマイレージってカロリーとか出ているけど、省庁の人たちはやっぱり1人でご飯食べてる。