「たこ焼き御殿ができるぞ」と思った矢先のこと

ジャカルタに来て1カ月くらい経ったとき、日本人祭りが開催されることを知りました。そこが起業のきっかけとなりました。思いつきでたこ焼きを売ってみたんです。そしたら、これが大盛況。飛ぶように売れました。

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その話をジャカルタで知り合った日本人の飲食店経営者に話したら、200万円を出資してくれたのです。スタッフを採用してたこ焼き屋を始めました。ロッテマートというアジア系スーパーの入り口の前で4個入りを約150円(2万ルピア)で売って、1日4000~6000円の売り上げが出ました。3カ月で6屋台(店舗)を出すまでに成長。これは、たこ焼き御殿ができるぞ! と思った矢先のことです。

インドネシアでは、ビジネス手法を盗まれることがよくあります。味が従業員に盗まれ、売上金もくすねられました。半年で全屋台を畳みました。

「自分は何のためにここにいるのだろう」

貯金も底をつき始め、マンションの契約更新も迫った12年。ジャカルタで迎えた正月の日、SNSを見ると日本の友だちが家族や友人と楽しそうな写真をアップしているのを見て涙が出てきました。20円のカップラーメンをすすりながら「自分は何のためにここにいるのだろう」と悩みました。

ただ、ここでも出会いに助けられました。商業施設でたまたま出会った日本語が堪能なインドネシア人と意気投合し、彼の家に住まわせてもらうことになったのです。食費も相手持ちでした。

そんな生活を送るなか、私はあることが気になっていました。自分の髪や体毛が日本より早く伸びるように感じていました。周りの日本人も同じことを思っていたそうで、だったら脱毛サロンをやればいいのではと考えました。