炎上はどうやったら防げるのか。詳しくは「炎上させないための14カ条」を確認してほしいが、清水氏はこの中でも「常に公開されているという認識をしっかりともつこと」「価値観を押しつける発言は避けること」の2つが特に大事だと語る。SNSで友人と私信をするのであれば、ダイレクトメッセージ機能を使い、人目にふれないように気をつける。そして匿名だとしても他人を攻撃したり批判するような発言は避け、自分の考えが絶対だという意識を捨てる。

▼炎上させないための14カ条
(1)SNSは公開されていることを認識する。
(2)SNS上の友人が少なくても炎上リスクがあることを認識する。
(3)SNSは友人知人への連絡用ツールとして用いると危険だと認識する。
(4)多様な価値観の人がいるので、自分の価値観を押しつけず、他人の価値観を否定しない。自分の書き込みに対して批判があることを覚悟する。
(5)批判に対して中傷や人格的な攻撃を行わない。
(6)プライバシーを侵害する書き込みをしない。
(7)差別的、攻撃的な言動など、他人を不快にさせる書き込みをしない。
(8)政治、宗教、思想・信条など、デリケートな話題に関する書き込みをしない。
(9)アカウントなどの画像使用や他人の著作物を勝手に使用・加工した書き込みをしない。
(10)他人に対する中傷や単なる悪口の書き込みをしない。
(11)自分のプライバシーに関わる書き込みをしない。
(12)交通違反、暴行・脅迫、無銭飲食、恐喝行為、パワハラ発言、セクハラ発言など、違法行為についての告白をしない。
(13)企業の秘密情報に関する書き込みをしない。
(14)企業に関する情報を発信しない。仮に発信するとしても企業の公式見解ではないことを明記する。

※清水陽平著『サイト別 ネット中傷・炎上対応マニュアル』(弘文堂)をもとに編集部作成。

万が一、炎上が起きたらどうすればいいか。

「一番のお勧めは、『逃げるが勝ち』で、個人のアカウントを早急に削除することです。また大体の炎上騒ぎは1カ月もすれば鎮まるため、放置するのもひとつの手段ですが、削除しないでいると、虚偽の情報を含んで拡散していくリスクもある。なので後にデマを流されたときの反論材料として、何を書き込んだかキャプチャー(画像データとしてファイルに保存)してから、削除するといいでしょう。そして指摘が正しく、自分に非があると思ったら、謝るのが鉄則。苦しい言い訳をすると、さらなる反発を買ってますます炎上します。ネット上といえども、普通の人間関係と同じ。すぐ謝ることで収束することも多いんです」(同)

近年の傾向として、炎上したアカウントや発言を削除しても、まとめサイトに掲載され、ネット上に残ることがある。その場合は、まとめサイトの運営会社に理由を伝えて削除請求を行えばよい。炎上に便乗するような業者とは連絡がつかないイメージがあるが、問い合わせに応じるオンラインフォームなどが用意されているサイトは意外に多い。

SNSは、多様な価値観の人が行き交う公共の広場で会話しているようなもので、多くの人が聞き耳を立てている。日常の人間関係と同じ意識を持ち、節度を大事にしよう。