迎えた9月6日のタイ戦はアウェーということもあり、向こうの選手も相当気合が入っていたので難しい試合になりました。実力的に見れば大差をつけて勝たなければいけない試合だったとは思いますが、とにかくUAE戦の悪い流れを食い止めるためにも大事な一戦であることに間違いありませんでした。

結果的に、UAE戦からタイ戦の数日間で、僕たちはそれぞれが自分たちを見つめ直し、これ以上ないほどのプレッシャーを乗り越え、チームとしてひとつになって成長することができたと思います。UAE戦ではまったく効果的ではなかったサイド攻撃もタイ戦前には整理され、僕のクロスから(原口)元気の先制弾が生まれました。日本代表は2対0で勝利し、初戦の悪い流れを断ち切ることができました。

撮影=千葉格

ロシア・ワールドカップ出場を決めた瞬間

8月31日、勝てばワールドカップ出場が決まるオーストラリアとの大一番。

僕は直前の8月27日にリーグ・アンのモナコ戦を終えて日本代表に合流したため、メンバーのなかでは一番遅い到着となり、オーストラリア戦までほとんど時間がありませんでした。

だから「うまくいかないことのほうが多いだろう」という前提で、限られた時間内でチームメートとコミュニケーションを図り、さまざまなシチュエーションを想定して試合に臨みました。

オーストラリア戦では、ピンチになっても前線からの守備が機能していたので、体を張って止められる余力を残すことができていました。前線からの守備がうまくいかなければ無駄な動きが増えてしまい、体力だけが落ちていき、ピンチでは最後の一歩が出なくなってしまいます。

今回のロシア・ワールドカップ出場を決めた瞬間は本当にしびれました。ブラジル大会のアジア最終予選は、年上の選手に引っ張っていただき、それについていくのが精一杯でした。しかし、今回の予選では、試合に最初から出場することも多く、苦しい戦いを勝ち抜いて本戦へ進めたので、心の底から嬉しかったのです。

国を背負うプレッシャーで想像以上の責任の重さを感じ、予選を通じて本当に苦しい思いを味わいました。ただ、予選中に「うまくいかない前提で最善の準備をしよう」「試合中もイメージどおりにはいかないから、その場その場で積極的に話し合いながらやっていこう」という考え方に切り替えることができたのは大きかったです。